はしかの症状軽視も… ワクチン予防否定するSNSの誤情報に注意

はしかに感染した人が各地で相次いで確認されていますが、SNSでは、はしかに感染した場合の症状を軽視し、ワクチンによる予防を否定する誤った情報が広がっています。
はしかは命に関わることもある一方、ワクチンが有効だと分かっている病気で、誤った情報には注意が必要です。

(動画は1分37秒 おはよう日本で放送したスタジオ解説です)

各地で感染者が確認されているはしかについて、旧ツイッターのXなどにははしかは自然に感染した方がよいとか、ビタミンをとれば治るのでワクチンは必要ないなどとする誤った情報が多く投稿され、13日午後8時の時点であわせて100万回近く閲覧されています。

中には「自然免疫獲得のチャンス」などとして、感染した人が利用した飲食店に行くことを促すような投稿もあり、およそ40万回見られていました。

はしかは感染力が極めて強いうえ、特効薬はなく、免疫を持たないまま感染すると、肺炎や脳炎で重症化して亡くなるケースもあるほか、ごくまれに、治ってから5年ほどたって以降に、急に日常の行動ができなくなって亡くなることもある「亜急性硬化性全脳炎=SSPE」を発症することもあります。

ワクチンによる予防効果は高く、世界各国でワクチン接種が行われていますが、国連やWHO=世界保健機関は誤った情報のために接種率が低下し、感染が再燃したケースもあるとして注意を呼び掛けています。

途上国でのワクチン接種に取り組む国際団体「Gaviワクチンアライアンス」はことし1月にも、「誤った情報は子どもの命を奪うはしかのような病気を広げる大きな脅威となっている。ワクチンは安全で97%の効果があり、2回の接種で一生守られる」と指摘しています。

SNSでは健康に関する誤った情報が広がりやすく、公的機関の情報を確認するなど、注意することが必要です。