プーチン大統領 “国家存続の危機なら核兵器使用を辞さず”

ロシアのプーチン大統領は13日に公開された国営メディアへのインタビューで、国家存続の危機にさらされれば核兵器の使用を辞さないとの立場を改めて示し、ウクライナへの支援を続ける欧米側に対して核戦力を誇示して威嚇しました。

ロシア大統領府は13日、プーチン大統領が国営テレビなどへのインタビューに応じた内容を公開しました。

この中で、プーチン大統領は核戦争の準備があるのかとの質問に対して、「軍事技術の観点から言えば、もちろん準備はできている」と述べ、核戦力は常に臨戦態勢にあると強調しました。

一方、プーチン大統領はウクライナへの軍事侵攻において、これまでに核兵器使用の必要性に直面したことは一度もないという認識を明らかにしました。

ただ、「主権や独立が損なわれる事態になれば、核兵器も含め、あらゆる兵器を使用する準備ができている」と述べ、国家存続の危機にさらされれば核兵器の使用を辞さないとの立場を改めて示し、ウクライナへの支援を続ける欧米側に対して核戦力を誇示して威嚇しました。

プーチン大統領としては今月15日からの大統領選挙を前に、国民に対して強いロシアの指導者としての姿を示すねらいもあったとみられます。

外国の部隊や南部の都市オデーサについても言及

プーチン大統領はインタビューの中で、ウクライナ侵攻をめぐってフランスのマクロン大統領が、ウクライナへ地上部隊を派遣する可能性に言及したことについて、「外国の部隊が派遣されても、兵器の供与と同様、戦況を変えることはできないと確信している」と述べた上で、「深刻な地政学的な影響を引き起こす可能性がある」として警告しました。

一方、ロシアはウクライナ東部や南部に支配地域を拡大させているとしたうえで、南部の都市オデーサについて、「ロシアの都市として期待があるか」と聞かれたのに対し、プーチン大統領は「もちろんだ。人口密度がとても高く、気候は素晴らしい」と述べ、今後の侵攻を示唆した発言の可能性もあります。

また、プーチン大統領はウクライナ侵攻について、「平和的な手段で解決する用意がある」と述べた一方で、あくまでもロシアの安全保障の確保が前提だと主張し、和平交渉に応じる構えも示して、欧米側に揺さぶりをかけるねらいとみられます。