EUのAI法案 ヨーロッパ議会が承認 世界初 包括規制目指す

EU=ヨーロッパ連合の議会は世界で初めて、包括的にAIを規制することを目指すEUのAI法案について採決を行い、賛成多数で承認しました。今後、加盟国の合意を得たうえで施行される見通しです。

ヨーロッパ議会は13日、EUのAI法案について採決を行い、賛成多数で承認しました。

採決に先立って、議会で法案をめぐる議論を主導した議員2人が会見を行い、「安全で人間中心のAIの開発に明確な道筋をつける世界で初めての規制だ」と述べ、改めて意義を強調しました。

この法案ではリスクに応じてAIを分類し、このうち、
▽人々の社会的な信用度の評価、分類に使うAIや、
▽犯罪を犯す可能性を予測する目的で人々の特性を分析、評価するAIなどは利用が禁止されます。

また、教育機関や企業が入試や採用で人々を評価したり、金融機関が融資の可否を評価する際に使ったりするAIなどはリスクが高いとされ、偏った判断をしないよう適切なデータで学習させたり、利用中は人間が監視したりすることなどが求められます。

実在する人物の姿や声に似せて生成AIで作成した画像や音声などは、AIによるものだと明示して透明性を確保することが義務とされます。

違反した場合は最大で3500万ユーロ、日本円で56億円余りか、年間の売上高の7%にあたる巨額の制裁金が科される厳しい内容となっています。

法案は今後、加盟国の合意を得たうえで施行される見通しです。