受刑者の選挙権停止 1審に続き「憲法に違反せず」 東京高裁

服役中の受刑者に国政選挙などの投票が認められていないことが選挙権を保障した憲法に違反するかどうかが争われた裁判で、東京高等裁判所は、1審に続き、憲法違反ではないとする判決を言い渡しました。

長野刑務所で服役中の受刑者は、2019年に詐欺の罪で懲役7年の実刑が確定したため、公職選挙法の規定に基づいて選挙権が停止され、衆議院選挙などで投票できませんでした。

受刑者は「公職選挙法の規定は選挙権を保障した憲法に違反する」などとして、次の国政選挙での投票などを求めていましたが、1審の東京地方裁判所は「憲法に違反しない」として訴えを退け、受刑者が控訴していました。

13日の2審の判決で、東京高等裁判所の木納敏和裁判長は「受刑者は最低限守るべき法令に違反し、規範意識が欠如していると言え、選挙権が制限されたとしてもやむをえない。規定が憲法に違反するとは言えない」として、1審に続き訴えを退けました。

受刑者の選挙権をめぐっては、2013年に大阪高等裁判所が「憲法違反」と判断した一方、2017年には広島高等裁判所が「合憲」とする判決を出し、判断が分かれています。