燃料の一部にアンモニア 脱炭素化に向け火力発電所で実証実験

脱炭素社会の実現に向けて、石炭火力発電の燃料の一部に、燃やしても二酸化炭素を出さないアンモニアを混ぜて発電する大規模な実証実験が愛知県碧南市の発電所で行われることになり、13日、発電設備が報道陣に公開されました。

実証実験が行われるのは、東京電力と中部電力が出資する発電事業者の「JERA」が運営する碧南火力発電所の4号機で、13日はボイラーやアンモニアを貯蔵するタンクなどが公開されました。

火力発電の脱炭素化に向けて、JERAは、燃料の一部に燃やしても二酸化炭素を出さないアンモニアを混ぜて発電する設備を2027年から28年ごろをめどに実用化したいとしています。

今回の実験では、石炭火力発電の100万キロワット級の設備を改造し、燃料の20%をアンモニアにして、安定して燃焼できるかや、有害な窒素酸化物の排出を抑制できるかなどを確認するということで、早ければ3月26日に始める予定です。

今後、会社では、アンモニアの割合を50%以上に高める実験も行うほか、2040年代にアンモニアだけで発電する技術の実用化を目指すことにしています。

JERAの谷川勝哉碧南火力発電所長は「最終的には燃料をすべてアンモニアに転換することで、世界や国内で二酸化炭素を排出しない『ゼロエミッション火力』を推進できるよう技術を確立していきたい」と話していました。