春闘 きょう集中回答日 大手は高い賃上げ水準で早期決着相次ぐ

ことしの春闘は13日が集中回答日です。大手企業の間では13日を待たずに高い賃上げ水準で決着する動きが相次ぎ、日本経済の好循環に向けて、こうした動きが中小企業などにも広がるかどうかが焦点となります。

ことしの春闘は、13日が経営側からの集中回答日となりますが、大手企業の間では、13日を待たずに去年以上の高い賃上げ水準で早期に決着する動きが相次いでいます。

このうち自動車業界では、
▽ホンダが1989年以降で最大となる月額2万円の賃上げで満額回答し、
▽マツダは初回の労使交渉で、2003年以降で最大の月額1万6000円の賃上げで満額回答しました。

外食業界では
▽牛丼チェーンを運営するゼンショーホールディングスが過去最高となる12.2%の賃上げで妥結し、
▽モスフードサービスは初めてのベースアップを含めた平均で8%程度の賃上げを決めました。

航空業界では
▽全日空と▽日本航空がいずれも33年ぶりとなる高い水準のベースアップを行うと回答しました。

「日本経済研究センター」が民間のエコノミスト38人に尋ねた調査では、春闘での賃上げ率の予測が、平均で3.88%となり、30年ぶりの高い水準となった去年を上回るという見方も出ています。

賃金の上昇を通じた消費の拡大による日本経済の好循環に向けて、これから労使交渉が本格化する中小企業などにも高い水準の賃上げの動きが広がるかどうかが焦点となります。

高い水準の賃上げ 中小企業などにも広がるかが最大の焦点

ことしの春闘は、日本経済がデフレから完全に脱却し、賃金と物価が安定的に上昇する好循環の実現に向けて、前進できるかどうかの大きな節目となります。

ことしの春闘では、記録的な物価上昇を背景におよそ30年ぶりの高い賃上げ率となった去年の勢いを継続できるかどうかが焦点となっています。

これまでのところ、大手企業の間では去年以上の高い賃上げ水準で早期に決着する動きが相次いでいます。

日本経済がデフレから完全に脱却し、好循環へと転換するには、こうした賃金の上昇を広く実現し、消費の拡大につなげる必要があります。

ただ、これまでのところ、政府の統計では、実質賃金のマイナスが続き、個人消費も伸び悩んでいる状況です。

こうしたなかで行われることしの春闘は、大手企業の間で機運が高まる高い水準の賃上げの動きが中小企業などにも広がるかどうかが最大の焦点となります。

日銀も、大規模な金融緩和策を転換する判断材料として賃上げの動きを注視していて、ことしの春闘は、経済の好循環の実現に向けて、前進できるかどうかの大きな節目となります。