【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月13日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる13日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ ロシア石油関連施設などを2日連続で無人機攻撃

ロシアでは13日、石油関連施設などを狙った無人機攻撃が2日連続で行われたほか、治安機関の建物にも攻撃が仕掛けられたということでウクライナは、前線で攻勢を強めるロシアの重要施設を標的に反撃を続けています。

ロシアでは13日にかけて、ウクライナの無人機による石油関連施設などを狙った攻撃が相次ぎました。

このうち中部のリャザン州では石油精製施設で火災が発生してけが人が出たほか、北西部のレニングラード州でも石油精製施設に攻撃を仕掛けようとしたウクライナの無人機を撃墜したとそれぞれの知事が発表しました。

ロシアでは前日にも西部ニジニ・ノブゴロド州でロシア第2の石油会社「ルクオイル」の製油所が攻撃を受けて火災が発生しています。

さらにロシア国営のタス通信は13日、ウクライナと国境を接する西部のベルゴロド州にあるロシアの治安機関、FSB=連邦保安庁の建物にも無人機攻撃が仕掛けられたと伝えています。

今のところけが人は出ていないということですが、ウクライナは、前線で攻勢を強めるロシアの重要施設を標的に反撃を続けています。

ウクライナ側 攻撃への関与示唆

ロシアで13日、石油関連施設などに対する攻撃が相次いだあとウクライナのイエルマク大統領府長官は「私たちはロシア軍を経済的に支えるあらゆるものと戦っている」とSNSに投稿し、攻撃への関与を示唆したとみられます。

その上で「ロシアは民間人や高層ビルと戦っている」と投稿し、ロシアは民間施設を狙うことで市民の犠牲を増やしていると非難しました。

ロイター通信や地元メディアは13日、関係筋の話として、ウクライナ保安庁がロシアにある石油関連施設3か所を無人機で攻撃し、戦闘の継続につながる経済力をそぐことが目的だと伝えています。

CNN “ロシア砲弾生産能力 欧米の3倍”

アメリカのCNNは11日、NATO=北大西洋条約機構の試算としてロシアは年間300万発の砲弾の生産能力があると報じました。

これは、アメリカとヨーロッパ各国をあわせたウクライナ向けの砲弾の生産能力の3倍近くにのぼる可能性があるとしています。

そしてロシア側が1日およそ1万発の砲弾を撃っているのに対し、ウクライナ側は2000発にとどまっているとした上で「今、私たちが戦っているのは生産戦争だ」とするNATO高官のことばを引用し、兵器の生産能力が戦況を大きく左右すると危機感を伝えています。

アメリカ 約440億円相当の新たな軍事支援を表明

アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は12日、記者会見で、ロシアによる侵攻が続くウクライナに対して、砲弾など3億ドル、日本円にしておよそ440億円相当の新たな軍事支援を行うと明らかにしました。

議会の与野党の対立からアメリカのウクライナ支援の予算は枯渇していますが、これまでに決定している兵器調達の予算からコスト削減によって捻出した資金を充てるとしています。

アメリカがウクライナへの新たな軍事支援を決めるのは去年の年末以来、2か月半ぶりです。

ハンガリー首相 “トランプ氏「一銭も出さない」と言った”

ハンガリーのオルバン首相は今月8日にアメリカを訪れ、ことし11月の大統領選挙で返り咲きをねらうトランプ前大統領と会談し、10日に地元テレビ局とのインタビューで会談の内容を説明しました。

このなかでオルバン首相は「彼は『ウクライナとロシアの戦争には一銭も出さない』と言った」と述べ、トランプ氏から大統領に返り咲けばウクライナへの支援を打ち切る考えを伝えられたと明らかにしました。

その上で「これでこの戦争は終わる。なぜなら、ウクライナが自力で立つことができないのは明らかだからだ。アメリカが資金を提供しなければ、ヨーロッパだけで支援を続けることはできない」と強調しました。

EUに加盟するハンガリーのオルバン首相は、ロシア寄りの姿勢で知られ、EUによるウクライナへの巨額の資金支援に反対して実現を遅らせるなど物議を醸すとともにトランプ氏への支持も明言しています。

ヨーロッパでウクライナへの支援疲れも指摘される中、トランプ氏が支援を打ち切るとした今回の発言は今後、波紋を呼びそうです。

ロシア “ウクライナ東部の集落 新たに掌握”

ロシア国防省は12日、先月、掌握したウクライナ東部ドネツク州のアウディーイウカの南西にある集落を新たに掌握したと発表しました。

ロシアのメディアは、プーチン大統領の側近の1人で大統領府のキリエンコ第1副長官がアウディーイウカを訪問したと伝え、支配地域の拡大をアピールしました。

一方、プーチン政権に反対し、ウクライナ側に立って戦うロシア人の義勇兵の組織は12日、SNSで、ウクライナ側から国境を接するロシア西部のベルゴロド州とクルスク州に越境して攻撃を始めたことを明らかにし、一部の集落を掌握したと主張しました。

これに対しロシア国防省は、ウクライナ側から越境攻撃の試みがあったが戦車などを破壊し、撃退したとしています。

ロシアメディア “製油所が無人機攻撃で火災”

ロシアメディアによりますと、12日朝、ロシア各地に無人機の攻撃があり、西部ニジニ・ノブゴロド州では、ロシア第2の石油会社「ルクオイル」の製油所が攻撃を受けて火災が起きたということです。

ロイター通信は、この攻撃で施設の生産の半分が停止したとして「主要な製油所が深刻な損害を受けた」と伝えていて、ウクライナ側も反撃の動きを続けているとみられます。