ハイチ 治安が急激に悪化 事態収拾図るため首相辞任へ

カリブ海の島国ハイチでは、ギャングが刑務所を襲撃し、およそ4000人が脱獄したと見られるなど、国内の治安が急激に悪化する中、事態の収拾を図るため首相が辞任することになりました。

ハイチで急速に悪化する治安情勢への対応を協議するため、カリブ海の周辺国でつくるCARICOM=カリブ共同体の国々や支援国などが参加して11日、ジャマイカで緊急会合を開きました。

会合のあと、議長を務めるガイアナのアリ大統領は、ハイチのアンリ首相について「暫定政府の評議会を設立して仮の首相を指名したあと、辞任することになる」と述べました。

ハイチでは、3年前に当時の大統領が武装グループに殺害され、大統領から生前に指名を受けていたアンリ氏が選挙を経ずに首相に就任しました。

今月2日にはギャングが国内最大規模の刑務所2か所を襲撃して、およそ4000人の囚人が脱獄したとみられるほか、空港も攻撃を受けて閉鎖され、アンリ首相はアメリカの自治領プエルトリコから帰国できなくなる事態となっていました。

アンリ首相はみずからの辞任についてSNSに動画を投稿し「ハイチは民主制度を再建する必要がある。すべてのハイチ国民が冷静になることで、国に一刻も早く平和や安定を取り戻せるよう全力を尽くしてほしい」としています。