参院予算委 公聴会 賃上げや格差問題について専門家が意見

参議院予算委員会は、新年度予算案に関して専門家から意見を聞く公聴会を開いていて、各党が推薦した専門家が賃上げや格差の問題について意見を述べています。

このうち自民党が推薦した立教大学経済学部教授の首藤若菜氏は、賃上げについて「日本の問題は、過去20年以上にわたって、労働生産性の上昇に賃金上昇が追いついていないことだ。内需を拡大するには、幅広い人々の所得の向上が不可欠だが、労働者の発言力や交渉力は低くなっている。中小企業の賃金を順調に上げていくには、労使関係の再構築が必要だと考えている」と述べました。

また、立憲民主党と社民党が推薦した東京大学名誉教授の大沢真理氏は、格差の問題について「正規雇用と非正規雇用の実質の年収の推移を見ると、正規雇用では下がっているわけではなく、大手では少しずつ上がってきてもいる。一方で非正規労働者は、人数が増えても待遇改善は遅々として進んでいない。賃上げのプッシュも重要だが、正規と非正規の格差を解消するために、同一価値労働、同一賃金は有効な手段だ」と述べました。