北海道 利尻山の雪崩 長さ約700mに及ぶ大規模なものに 学会

今月3日に北海道北部の利尻山でバックカントリーを滑っていたツアー客1人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、雪崩はおよそ700メートルに及ぶ大規模なものだったことが日本雪氷学会の調査で分かりました。

今月3日、利尻島の利尻山でバックカントリーと呼ばれるスキー場のコース外をスノーボードなどで滑っていたツアーのグループが雪崩に巻き込まれ、ツアー客の女性が死亡し、ガイドや客合わせて3人がけがをしました。

日本雪氷学会北海道支部の調査チームは、現地で行った雪の状況や関係者への聞き取り調査の結果を11日公表しました。

それによりますと、雪崩は幅がおよそ130メートル、長さがおよそ700メートル、標高差は340メートルに及び、過去に調査した北海道内の雪崩の中でも大規模だったということです。

また、バックカントリーでは、先に滑った人があとから来る人と合流するため、尾根沿いの雪崩などに巻き込まれにくい場所を選んで待機することがありますが、今回の雪崩はその待機場所まで達していたということです。

調査チームは「バックカントリーでの安全対策の難しさを示している」と話しています。

さらに、崩れた雪を分析した結果、一度溶けたあとに再び凍結した「ざらめ雪」が確認され、2月中旬の記録的な高温の影響で一度溶けた雪の層が崩れたと推定されるとして、学会では引き続き、雪崩の原因の分析を行うとしています。