地球観測衛星「だいち4号」公開 来年度打ち上げの計画 神奈川

日本の新たな主力ロケット「H3」で、来年度・2024年度に打ち上げられる計画の地球観測衛星「だいち4号」が、11日神奈川県で報道陣に公開されました。

公開されたのはJAXA=宇宙航空研究開発機構と三菱電機がおよそ320億円をかけて開発した地球観測衛星「だいち4号」で、重さはおよそ3トン、太陽光パネルなどを展開すると高さ10メートル、横20メートルの大きさです。

衛星から発した電波が地表に反射する際の強弱をもとに画像を作成できることから、夜間や悪天候でもおよそ3メートルの高い解像度で観測できるのが特徴です。

現在運用中の「だいち2号」に比べて、一度に観測できる地表の幅を最大で4倍の200キロ、観測頻度を5倍に増やし、災害時の被害状況の把握や火山活動に伴う異変の迅速な発見などに役立てられる計画です。

衛星を開発したJAXAの有川善久プロジェクトマネージャは「観測幅をより広げたため異変を早期に発見し、被害の未然防止につなげていきたい。今後、打ち上げに向けた準備を着実に進めていく」と話していました。

H3ロケットは、去年、初号機が打ち上げに失敗して搭載していた「だいち3号」を失いましたが、対策を講じて先月2号機が初めて打ち上げに成功しています。

内閣府の宇宙基本計画によりますと「だいち4号」は、次のH3ロケットに搭載され、来年度に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。