ポルトガル総選挙 極右政党が躍進 議席を4倍に伸ばす

ポルトガルで行われた総選挙で、与党と最大野党の会派の得票がきっ抗するなか、極右政党が議席を4倍に伸ばし、今後の連立政権に向けた交渉にも影響を与える見通しです。

ヨーロッパでは厳しい移民政策を掲げる極右政党が各地で相次いで支持を伸ばしていて警戒感が広がっています。

ポルトガルでは、政権内の汚職疑惑によって、8年あまり内閣を率いてきたコスタ首相が辞任を表明し、これに伴って10日、総選挙が行われました。

開票率99%を超えた時点で、中道左派の与党・社会党と、中道右派の野党・社会民主党が率いる連立会派は、それぞれおよそ29%の得票率できっ抗する結果となっています。

一方で、極右政党の「シェーガ」が、およそ18%の票を獲得して、議席をこれまでの4倍に伸ばしました。

「シェーガ」は2019年にできた新興政党で、厳しい移民政策を掲げ、汚職や住宅価格の高騰などへの不満を取り込み、若い世代を中心に支持を集めてきました。

「シェーガ」のベントゥーラ党首は、「大勝利だ」と述べて喜びをあらわにし、フランスの極右政党の政治家らもコメントを出し、「シェーガ」の躍進を歓迎しました。

また、極右政党の躍進は、今後のポルトガルの連立交渉にも影響を与える見通しです。

ヨーロッパでは6月に、EUの議会選挙を控えるなか、フランスやオランダなど、域内で相次いで極右政党が支持を伸ばしていて、警戒感が広がっています。