大相撲春場所 初日 新大関の琴ノ若は白星 横綱 照ノ富士に土

大相撲春場所は10日が初日。新大関の琴ノ若は平幕の熱海富士を退けて白星スタートを切りましたが、10回目の優勝がかかる横綱 照ノ富士に土がつく波乱の幕開けとなりました。

春場所は大阪府立体育会館で初日を迎え、先場所13勝2敗の好成績を残し、大関昇進を果たした琴ノ若は21歳の平幕、熱海富士と対戦しました。
琴ノ若は立ち合いで熱海富士の当たりを受け止めると、タイミングよく「はたき込み」を決めて、白星スタートを切りました。

2場所連続10回目の優勝がかかる横綱 照ノ富士は小結に復帰した錦木と結びの一番で対戦しました。
照ノ富士は得意の右四つの相撲で攻め込んだものの、土俵際で踏みとどまった錦木に逆に寄り切られて、初日に土が付きました。

残る3人の大関陣のうち、角番の貴景勝は大関経験者の朝乃山に勝ちました。
一方、霧島は小結 阿炎に、豊昇龍は前頭筆頭の宇良に敗れ、初日に横綱1人、大関2人が敗れる波乱の幕開けとなりました。

《中入り後の勝敗》

▽新入幕の尊富士は大奄美に「送り出し」で勝って幕内初白星を挙げました。

▽遠藤に狼雅は狼雅が「寄り切り」。

▽妙義龍に北の若は妙義龍が「はたき込み」。

▽錦富士に美ノ海は美ノ海が「押し出し」。

▽竜電に島津海は竜電が「上手投げ」で勝ちました。

▽湘南乃海に佐田の海は佐田の海が「寄り切り」。

▽一山本に御嶽海は御嶽海が「押し出し」。

▽正代に琴勝峰は正代が「寄り切り」。

▽北勝富士に高安は高安が「はたき込み」で勝ちました。

▽阿武咲に玉鷲は阿武咲が「押し出し」。

▽金峰山に豪ノ山は金峰山が「上手投げ」。

▽剣翔に大の里は大の里が「寄り切り」。

▽翠富士に平戸海は平戸海が「突き出し」で勝ちました。

▽翔猿に隆の勝は翔猿が「押し出し」。

▽王鵬に若元春は若元春が「押し出し」。

▽大栄翔に明生は明生が「突き落とし」。

▽新大関 琴ノ若は熱海富士に「はたき込み」で勝って初日を白星で飾りました。

▽角番の大関 貴景勝に朝乃山は、貴景勝が「はたき込み」で勝ちました。

▽宇良に大関 豊昇龍は宇良が「肩透かし」。

▽大関 霧島に阿炎は阿炎が「引き落とし」。

▽横綱 照ノ富士に錦木は錦木が「寄り切り」で勝ちました。

力士の談話

白星スタートの新大関・琴ノ若は「いつも通り。集中していた。体が反応してくれた」と振り返りました。

10日は高校の先輩である元大関・豪栄道の武隈親方が現役時代につけていたものとデザインが同じ化粧まわしを母校から贈られて着用し「ありがたい。先輩たちがつけていた化粧まわしをつけることで気が引き締まる」と話していました。

照ノ富士を破った錦木は「ぎりぎり寄られたが残ることができた。たいがい初日に負けているのでうれしい。もう疲れた」と振り返りました。

新三役に昇進した去年の秋場所では5勝10敗と負け越していて、小結に返り咲いた今場所の目標については「6勝です。前の自分を抜く。過去の自分に勝たないと」と笑顔で話していました。

敗れた大関・霧島は「前に出ていない。何もできなかった。自分にできていない、足りていないことをやっていく。場所前はあまり稽古ができなかったが、やるべきことはやってきた」と淡々と話していました。

霧島を破った阿炎は「立ち合いも当たれたし、タイミングがよかった。相手もちゃんと見えていた。変わらず一日一番、集中していく」と話していました。

1場所で関脇に返り咲いた若元春は平幕の王鵬に「押し出し」で勝って白星スタートとしましたが「自分の課題の立ち合いで悪いところが出た。しっかり見直して反省したい。ただ、今場所も前に前にいこうとやっていて、そういう意味では悪くない。番付にはこだわらず、自分らしい相撲を取っていく」と振り返りました。

白星発進の大関・貴景勝と、いずれも敗れた横綱・照ノ富士と大関・豊昇龍は取材に応じませんでした。