断水続く珠洲 臨時の歯科診療所に多くの被災者

能登半島地震による断水などの影響で、石川県珠洲市内の歯科診療所は現在、すべて休診していて、道の駅に設けられた臨時の診療所に多くの被災者が訪れています。

石川県歯科医師会によりますと、珠洲市内には5つの歯科診療所がありますが地震で断水が続いていたり建物が被災したりして現在は、すべて休診しています。

このため、歯科医師会は2月5日から市内にある道の駅に臨時の診療所を設けていて、虫歯の治療や入れ歯の調整などで多くの被災者が訪れています。

9日も親知らずの腫れを訴える人などが次々に訪れ、金沢市の医療機関から派遣された歯科医師と現地の歯科衛生士らが診療にあたっていました。

この診療所では長期的な治療などではなく応急の処置を行っていて、被災者は無料で受診できるということです。

毎日、15人ほどを受け付けていて、予約は1週間先までほとんど埋まっているということです。

受診した珠洲市の30代の男性は、「虫歯と親知らずの治療で3回目の受診です。だいぶよくなってきました。近くの歯医者はすべてやっていないのでありがたいです」と話していました。

歯科医師の丸川浩平さんは、「かかりつけの歯科医院が診療できない状況なので、ここでできることをしたいと思っています。避難生活では、口のなかを拭ったり入れ歯の汚れを落としたりするだけでも効果的です」と話していました。

石川県歯科医師会では珠洲市内の歯科診療所が再開するまで臨時の診療を続けるとしています。