東京大空襲から79年 都内で空襲の悲惨さ語り継ぐ催し

およそ10万人が犠牲になったとされる東京大空襲から10日で79年になるのを前に、空襲の悲惨さを語り継ぐ催しが開かれました。

太平洋戦争末期の1945年3月10日未明、アメリカのB29爆撃機による空襲で東京は下町を中心に壊滅的な被害を受け、およそ10万人が犠牲になったとされています。

9日、東京・江東区で、「東京大空襲・戦災資料センター」が開いた催しでは、およそ200人の参加者を前に、14歳の時に空襲に遭った竹内静代さんが体験を語りました。

両親と一緒に避難していた防空ごうにも火が迫り、さらに逃げる途中に見た光景について、「焼け死んだ人をたくさん見ましたが、だんだん何も思わなくなり、感情をなくすことがどんなに怖いものなのかを思い知りました」と語りました。

竹内さんは空襲によって、自宅や、多くの友人を失ったといい、「平和に過ごせることはとても貴重なことです。空襲があった1945年は平和が始まった年でもあり、79年続いた平和をこれからも続けてほしい」と話しました。

このほか、9日の催しでは、都内の高校生が戦時下の暮らしや戦災孤児などをテーマに、研究した内容を発表し、生徒の1人は「学校の授業だけでは分からなかった戦争の実態を、自分たちの世代が広めていかなくてはならないと思います」と話していました。