「輪島塗」老舗販売店 被害免れた漆器を東京のイベントに出品

石川県輪島市にある「輪島塗」の老舗販売店が、地震で被害を受けた店舗から運び出した漆器を東京のイベントに出品しました。

輪島市で創業200年を超える「田谷漆器店」は、地震で店舗や工房が大きな被害を受け、地元での営業はできない状態が続いています。

店は、8日から東京で行われているイベントに参加し、被害を受けた店舗から運び出した輪島塗の漆器など、およそ100点を出品しました。

店の代表を務める田谷昂大さんが会場を訪れ、来場した人に、手に持った時の軽さや柔らかい質感など、輪島塗の特徴を説明していました。

訪れた人は、輪島塗の漆器で地元の酒を味わったり、職人が漆器を作る様子を見学したりして、伝統工芸の魅力を堪能していました。

輪島漆器商工業協同組合によりますと、加入する103の事業者すべてが地震の被害を受け、ほとんどは事業再開のめどが立っていないということです。

神奈川県から訪れた女性は「輪島塗に初めて触りました。日本を代表する伝統文化なので、継続的な支援が必要だと思います」と話していました。

田谷さんは「能登のものに触れ、消費してもらうことが復興につながると思う。輪島塗の魅力をたくさんの人に伝えていきたい」と話していました。

このイベントは、3月13日まで東京 文京区の東京ドームシティで行われていています。