米「SXSW」開幕 生成AIが及ぼす社会への影響 関心高く

最先端技術やアートなどの祭典がアメリカで開幕し、ことしは、世界で利用が急速に拡大する生成AIの活用やリスクに関するプレゼンが相次ぎ、生成AIが社会に及ぼす影響への関心の高まりを表しています。

アメリカ南部テキサス州のオースティンでは8日、最先端技術やアートなどの祭典、SXSWが開幕しました。

映画や音楽のほか、テクノロジー開発に携わる企業やスタートアップ企業の関係者など例年、数十万人が参加する祭典で、初日の8日は、質問を入力すれば自然な文章で回答を作成できる生成AIの活用やリスクに関するプレゼンが相次ぎました。

このうち、生成AIが職場をどう変えるかを示すプレゼンでは、画像や音声も理解して回答するアメリカのIT大手グーグルの生成AIジェミニを利用すれば、プログラミングコードを速やかに修正するなど、仕事の効率を改善できると紹介していました。

また、AIが生成する偽の画像や音声のリスクを取り上げたトークセッションでは、文章から動画を作成する新たな生成AIが公開されるなど、開発が急速に進んでいるだけに偽物を見抜くのが、ますます難しくなっている現状が説明されました。

祭典は3月16日まで開かれ、期間中、ホンダや住友金属鉱山など、日本企業も出展することになっています。

毎年3月に開催の祭典「SXSW」とは

SXSWは、アメリカ南部テキサス州オースティンで毎年3月に開かれている最先端の技術とアートなどの祭典です。

1987年に音楽イベントとして始まり、その後、インターネット関連の企業の出展が増え、2007年には、当時のツイッターが主催者による賞を受け、テクノロジーの新しいトレンドを示す祭典として存在感を高めました。

日本企業も出展していて、ことしは、
▽自動車メーカーのホンダが、座ったまま体重を移動するだけで移動ができるモビリティーに乗りながら、仮想現実や拡張現実などを組み合わせる技術「XR」を体験できる展示を初めて行うほか
▽住友金属鉱山も、太陽光などに含まれる近赤外線を吸収して、熱に変える素材でできたダウンジャケットなどを展示します。