ガザへの支援 海からの物資輸送 迅速に届けられるかが焦点に

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザ地区への支援として、EU=ヨーロッパ連合はアメリカなどと調整を進めてきた海からの支援物資の輸送を今週末にも始めたい考えを示しました。一方、アメリカ側は搬入開始まで数週間かかるとしていて、迅速に届けられるかが焦点となっています。

イスラエルとハマスとの戦闘の休止をめぐる交渉はいったん中断され、ガザ地区では8日も戦闘が続き、地元の保健当局はこれまでに3万878人が死亡したと発表しました。

人道状況が日増しに悪化する中、アメリカやヨルダンなどは空から物資の投下を行っています。

地元の当局は8日、投下された物資が住民にあたって5人が死亡したとしていて、支援の難しさを改めて突きつけています。

こうした状況の中、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長はアメリカなどと調整を進めてきた海からの支援物資の輸送を今週末にも始めたい考えを示しました。

ただ、アメリカのホワイトハウスの高官は7日、記者団に対し、実際の搬入開始まで数週間かかるとしていて、迅速に届けられるかが焦点となっています。

一方、イスラエル軍は、先月29日にガザ地区で支援物資を運ぶトラックを待つ100人以上の住民が死亡したとされることについて報告書の概要を8日発表しました。

この中でイスラエル軍は、およそ1万2000人がトラックに詰め寄り、群衆事故が起きたなどとした上で数十人が近づいてきたため、警告射撃のあと、脅威を取り除くため正確に発砲したと主張し、発砲について認めました。

パレスチナ暫定自治政府はSNSで、この報告書を認めないとした上で「独立した国際調査を求めた国々がその責任を果たすのを待つ」とし第三者による検証が必要だと訴えました。