食料不足ガザ地区 “海から支援物資輸送 今週末にも”EU委員長

イスラエルによる軍事作戦で食料不足が深刻化するガザ地区に対し、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長はアメリカなどと調整を進めてきた海からの支援物資の輸送を今週末にも始めたいという考えを示しました。

イスラエルの軍事作戦が続くガザ地区に対しては各国が空から物資の投下をしてきましたが、深刻な食料不足は解消されず、アメリカ、ホワイトハウスの高官は新たに海からの物資の輸送を目指す方針を示しています。

海上輸送の実現に向けてアメリカなどと協力しているEUのフォンデアライエン委員長は8日、地中海の島国キプロスを訪問し、フリストドゥリディス大統領と会談しました。

キプロスは、去年11月以降、ガザ地区の人道状況の悪化を受けて、南東部のラルナカ港に支援物資を集め、地中海を挟んでおよそ400キロメートル離れたガザ地区に支援物資を船で送る計画を打ち出していて、2人は港湾施設も視察しました。

その後の共同会見で、フォンデアライエン委員長は「海上ルートの設置にかなり近づいている」と述べ、8日に試験的な運用を行い、早ければ9日にもガザ地区に対し海からの物資の輸送を始めたいという考えを示しました。

ガザ地区で戦闘が続く中、支援物資が迅速に届けられるかが焦点です。