戦闘休止交渉いったん中断 イスラエル首相は攻撃継続を強調

イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の戦闘の休止をめぐる交渉はいったん中断され、今月10日ごろに始まるイスラム教の断食月ラマダン前の合意は難しい情勢で、イスラエルのネタニヤフ首相は「ラファを含むガザ地区全域で作戦を続ける」と述べ、攻撃を継続する考えを強調しました。

イスラエル軍は7日夜もガザ地区の各地で攻撃を続け、パレスチナの地元メディアは中部デルバラハの住宅への空爆で9人が死亡するなど合わせて数十人が死亡したと伝えています。

戦闘休止や人質の解放をめぐって仲介国のエジプトで行われていた交渉について、ハマスは7日の声明で「交渉団は指導部と相談するためカイロから引き上げた」としていったん中断したことを明らかにしました。

一部のアラブメディアは交渉は10日にも再開されるという見通しを伝えていますが、ハマスが持続的な停戦を求めているのに対し、イスラエル側は拒否していて、ラマダン前に合意に至るのは難しい情勢です。

イスラエルのネタニヤフ首相は7日、軍の式典で演説し、「イスラエル軍はラファを含むガザ地区全域でハマスとの戦いを続ける。ラファでの作戦を行うなと言うことはわれわれに戦争に負けろと言っているようなものだ」と述べ、攻撃を継続する考えを強調するとともに、南部ラファへの地上作戦にも改めて言及しました。

ラファへの地上作戦をめぐってイスラエルは先月上旬から強行する姿勢を示していますが、北部や中部からの避難者を含めて150万人近くが身を寄せるラファへの地上作戦は住民の犠牲の拡大と人道状況の悪化につながるため、国際社会の懸念が強まっています。