「ゼロゼロ融資」返済ピーク 資金繰り支援策 6月末まで延長へ

コロナ禍で中小企業向けに実施されたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が最後のピークを迎えることから、政府は借り換え保証などの資金繰り支援策をことし6月末まで延長した上で、経営改善などの支援を強化することになりました。

実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」は、コロナ禍で売り上げが大きく減少した中小企業の資金繰りを支援するため、2020年3月に始まりました。

ゼロゼロ融資の返済は去年7月から本格化し、来月に最後のピークを迎えますが、中小企業の中には、過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれるケースも予想されています。

このため政府は、今月末までとなっていた資金繰りの支援策をことし6月末まで延長することを決めました。

具体的には▽民間の金融機関が行った「ゼロゼロ融資」からの借り換えなどに対する保証のほか、▽日本政策金融公庫による低金利の「コロナ特別貸付」、返済順位が低いことで資本と見なせる「劣後ローン」の申込期限を延長します。

一方、7月以降は、資金繰り支援をコロナ前の水準に戻したうえで、金融機関などと連携しながら中小企業の経営改善や事業再生への支援を強化するとしています。

齋藤経済産業大臣は、8日の閣議のあとの会見で「中小企業の方々にも対策の内容をわかりやすく伝えて、経営改善や事業再生をしっかり後押ししたい」と述べました。