次期戦闘機など輸出 歯止めの案を政府が示す 自公が最終調整へ

イギリス、イタリアと共同開発を進めている次期戦闘機などの第三国への輸出を認めるかどうかをめぐり、自民・公明両党の協議が行われ、政府は歯止めとして、対象を次期戦闘機に限ったうえで、輸出先を絞る案を示しました。
この案をもとに両党の合意に向けた最終調整が図られる見通しです。

次期戦闘機など、他国と共同開発する防衛装備品の第三国への輸出をめぐっては、自民党が認める方針なのに対し、公明党は厳格な歯止めが設けられれば容認する方向で検討していて、8日に自民党の渡海政務調査会長と公明党の高木政務調査会長が協議を行いました。

関係者によりますと、この中で政府は歯止めとしての案を示し
▽対象を次期戦闘機に限ったうえで
▽輸出先を日本が防衛装備品の輸出などに関する協定を結んでいる国に絞るとともに
▽戦闘が行われている国には輸出しないとしています。

▽また、与党による事前協議も行うとしています。

両党は政府の案を持ち帰って検討することになり、これをもとに合意に向けた最終調整が図られる見通しです。

自民 渡海政調会長「政府案でいいだろうという感触」

自民党の渡海政務調査会長は記者団に対し、「合意に向けて着々と前進している。2国間で信頼関係が築かれているところで、しっかりとした歯止めをかけることが担保されるのがいいのではないか。この政府案でいいだろうという感触を持っており、関係者と詰めていきたい」と述べました。

公明 山口代表「議論が尽くされていくと期待」

公明党の山口代表は政府与党連絡会議のあと、記者団に対し、「国民に理解いただけるかや党内の議員が提起する課題を乗り越えられるかを見たうえで、歯止めについて議論が尽くされていくと期待しており、今後、しっかり煮詰めていくことが重要だ。私から具体的なことを今の段階で申し上げるのは時期尚早だ」と述べました。

公明 高木政調会長「党内で議論 合意に向け努力」

公明党の高木政務調査会長は記者団に対し、「岸田総理大臣が国会で必要性について丁寧に分かりやすく答弁したことを山口代表をはじめ党幹部も評価しており、党内の理解は深まっているという認識がある。政府から歯止めの案について説明があったので、党内で議論を進め、合意に向けて努力したい」と述べました。

木原防衛相「防衛上必要で国益にかなう」

木原防衛大臣は8日の衆議院安全保障委員会で、「わが国の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現すべく、第三国への直接移転の仕組みを持ち、イギリス・イタリアと同等に貢献し得る立場を確保することが防衛上必要であり、国益にかなうものと考えている」と述べ、輸出の必要性に重ねて理解を求めました。