参院政倫審 議員の弁明と質疑行うこと全会一致で決定

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、参議院政治倫理審査会は議員の弁明とそれに対する質疑を行うことを全会一致で決めました。今後、関係議員に対して出席の意向確認を行い、来週後半の審査会開催も視野に調整を進めることにしています。

今回の問題で参議院では先に立憲民主党など野党4党が
▽自民党の議員31人と
▽在宅起訴されて自民党を離党した議員の合わせて32人の出席を求め、
政治倫理審査会を開催するよう申し立てました。

これを受けて審査会は、議員の弁明とそれに対する質疑を行うことを全会一致で決めました。

参議院の審査会で弁明が行われるのは初めてとなります。

審査会をめぐっては、これまでにいずれも安倍派の世耕前参議院幹事長と、西田昌司参議院議員が出席して報道関係者にも公開したいという考えを示しています。

審査会は、野党側が出席を求めている関係議員32人に対し出席するか、出席の場合、公開するかの意向確認を行い、来週後半の開催も視野に調整を進めることにしています。

自民 世耕前参院幹事長 「出席したい 公開でかまわない」

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党の世耕前参議院幹事長は、参議院政治倫理審査会に出席し報道関係者にも公開したいという意向を示しました。

今回の問題で参議院政治倫理審査会は議員の弁明とそれに対する質疑を行うことを全会一致で決めました。

このあと自民党の世耕前参議院幹事長は国会内で記者団に対し「しっかり出席したい。衆議院と同じようにすべて公開でかまわない」と述べ、審査会に出席し報道関係者にも公開したいという意向を示しました。

そのうえで「私の知りうるかぎりという前提になるが、派閥の中で皆さんが疑問に思っている意思決定の過程を話したい。また、私の資金管理団体が不記載に至った経緯やどういう形で修正したかをしっかり話したい」と述べました。

一方、去年、選挙区内の有権者と会食した際、高級洋菓子を渡した疑いがあると共産党の機関紙「しんぶん赤旗」で報じられたことについて「こちら側から応分の費用負担をお願いしたら固辞されたので、せめてもの一部の負担という思いで渡した。公職選挙法が禁じる寄付にはあたらないと思っている」と述べました。

自民安倍派 西田参院議員 「審査会にもちろん出席する」

自民党安倍派の西田昌司 参議院議員は国会内で記者団に対し「審査会にはもちろん出席する。報道関係者にも100%公開だ。正しい情報を知ってもらう機会を与えられるのであれば当然、出るべきだ」と述べました。

そのうえで、安倍派の幹部も出席すべきかと問われ「当然説明すべきであり怒っている。国民の理解をうやむやにしていること自体が問題で、組織的に派閥の記載漏れや裏金化をやっていたことを私も初めて知った。経緯を説明するのが派閥の幹部の責任であり、していないことが政治不信のいちばんのもとだ。そのことも含めて意見を言いたい」と述べました。

自民 野村哲郎参院政倫審会長 “公開がいいのでは”

自民党の野村哲郎 参議院政治倫理審査会長は、記者団に対し「きょうがスタートだ。議員本人が弁明の機会を与えられるので、フルオープンにするのかしないのか意向を聞きたい。本人たちの意見を尊重していかなければいけないが、私個人としては、衆議院で岸田総理大臣も出席してフルオープンで行われたので、そういう方向がいいのではないかと思っている」と述べました。

参院政倫審 与党側 佐藤正久筆頭幹事「深い反省に立ち審査」

参議院政治倫理審査会で与党側の筆頭幹事を務める自民党の佐藤正久 参議院議員は、記者団に対し「参議院の審査会で初めて審査を行うというすごく重い議決で、自民党としても深い反省に立ち、野党側の申し立てを重く受け止めて審査する。今後は議員の意向確認の回答を待って対応していきたい」と述べました。

また、記者団から党内で出席者を調整するのかと問われ「それはない。個人個人の判断ということになる」と述べました。

参院政倫審 野党側 吉川沙織幹事「一人でも多く出席し説明を」

参議院政治倫理審査会で野党側の幹事を務める立憲民主党の吉川沙織 参議院議員は、記者団に対し「全会一致で審査に入ることになったことは非常に重く、実態解明に少しでも近づくようにしていかなければならない。審査会は刑事責任を問う場ではなく、政治的・道義的責任を明らかにするための場なので、少しでも国会の自浄作用を発揮できるように努力していきたい。一人でも多く出席して説明してもらいたい」と述べました。

立民 泉代表「全員出席は当然 公開以外ありえない」

立憲民主党の泉代表は記者会見で「全会一致での開催なので、全員出席は当然だ。出席しないということは、弁明すら断るということになるので、ほおかむりしよう、逃げよう、隠れようという姿勢が明確になる。ぜひ、自民党側からも改めて全員に意思を確認し、出席をするよう求めてもらいたい。審査会は非公開ではなく、公開以外にありえない」と述べました。

公明 山口代表「信頼回復一層進むよう期待」

公明党の山口代表は、政府与党連絡会議のあと記者団に対し「審査会の機会をいかして、出席する議員には説明責任を果たし信頼を回復させる発言をしていただきたいし、質疑を通じて信頼回復が一層進むように期待したい」と述べました。

国民 榛葉幹事長「32人の議員出席しフルオープンで開催を」

国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「議決の対象となった32人の議員が政治倫理審査会に出席して説明することを強く要望したい。出るか出ないかは本人の判断になるが、自信がある議員はしっかり説明したほうがいい。当然、フルオープンで開催すべきだ」と述べました。