ヨーロッパ中央銀行 政策金利を4回連続据え置き

ヨーロッパ中央銀行は金融政策を決める理事会を開き、4回連続で主要な政策金利の据え置きを決めました。高い金利水準を維持することでインフレを抑え込む構えです。

ヨーロッパ中央銀行は7日、本部があるドイツのフランクフルトで金融政策を決める理事会を開き、主要な政策金利を現在の4.5%のまま据え置くことを決めました。

金利の据え置きは去年10月の会合以降、4回連続です。

ユーロ圏の先月の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて2.6%の上昇と、5か月連続で2%台を記録し、鈍化傾向にあります。

あわせて示したユーロ圏の最新の物価見通しでは、ことしは2.3%に、来年は物価目標である2.0%に到達するとしています。

声明では、「インフレを示すほとんどの指標は鈍化している」としながらも、「賃金の大幅な伸びもあり、域内の物価圧力は依然として高い」と警戒感もにじませています。

ヨーロッパ中央銀行としては高い金利水準を維持することでインフレを抑え込む構えです。

そして、景気への影響を見極めながら、利下げに転換する時期を慎重に判断するものとみられます。

ラガルド総裁「より多くのデータと情報 6月に得られる」

理事会のあとの記者会見でヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁はことしのインフレ率について、エネルギー価格の低下を受けて見通しが下方修正されたとした一方、「中東における地政学的緊張の高まりが短期的にエネルギー価格と輸送コストを押し上げ、世界貿易を混乱させる可能性がある」などと述べ、インフレの上振れリスクに警戒感を示しました。

また、利下げについて問われ、「インフレは確実に低下していて、物価目標を達成するという自信は高まっているが十分ではない。より多くの証拠やデータが必要であることは明らかだ。4月にはもう少し、6月にはさらに多くのことが分かるだろう。より多くのデータと情報が6月に得られるという事実については、幅広い合意が得られたと思う」と述べました。