韓国の前国防相 豪州大使任命も出国禁止 在任中の疑惑めぐり

今月韓国の前の国防相が、オーストラリアの大使に任命されたものの、国防相在任中の疑惑をめぐって当局から出国を禁じられていたことが分かりました。大統領府関係者は「出国禁止の事実を把握していなかった」と話していて、このまま赴任できるかどうか、大使人事をめぐり、異例の事態となっています。

韓国外務省は、去年10月まで国防相を務めたイ・ジョンソプ(李鐘燮)氏を、オーストラリア大使に任命すると今月4日に発表しました。

国防や防衛産業の分野で両国の協力関係をさらに強化していくのがねらいだと説明しています。

ところが韓国メディアは、イ前国防相が当局から出国を禁じられていたことが判明したと報じました。

海兵隊の兵士の死亡をめぐり、捜査していた軍担当者に圧力をかけたなどとする疑惑で、7日には職権乱用などの疑いで、事情を聴かれたと報じました。

韓国の通信社、連合ニュースは、すでにオーストラリア政府から大使としての受け入れの同意を得ていたと伝えています。

大統領府関係者は「出国禁止の事実を把握していなかった」と話していて、このまま赴任できるかどうか、不透明な状況です。

韓国の野党からは「任命を撤回すべきだ」と批判の声が出るなど、大使の人事をめぐって異例の事態となっています。