共産党を除名処分の元職員 処分取り消しと賠償を求め提訴

共産党の委員長をすべての党員による投票で選出すべきだなどと主張し、除名処分を受けた元職員が「手続きが違法だ」などとして、党に対し処分の取り消しと賠償を求める訴えを起こしました。7日、東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、共産党の元安保外交部長、松竹伸幸さんです。

松竹さんは去年1月、当時の志位委員長が委員長を20年以上務めていることを「国民の常識からかけ離れている」と批判し、すべての党員が投票して委員長を選ぶ「党首選挙」を行うべきだと主張しました。

これに対して共産党は「党に敵対する行為は行わない」などとした規約に違反したとして、松竹さんを最も重い除名処分にしました。

訴状によりますと松竹さんは
▽処分の前に意見を述べる機会を十分に与えないなど手続きが違法であるうえ
▽「党に敵対する行為」には当たらないなどと主張し
党に対し処分の取り消しと慰謝料など550万円の賠償を求めています。

松竹さんは提訴後の会見で「共産党が民主的に何でも言い合えるような組織に変わってほしいという思いで裁判をやっていきたい」と話しました。

訴えについて共産党は「まったく不当なものだ。除名処分は規約に基づいて厳正かつ適正に行われた。そもそも、政党は自律的な運営を行うので裁判所の審判権が及ばない」とコメントしています。