志賀原発 能登半島地震の被害箇所 初公開 一部復旧めど立たず

能登半島地震で変圧器などが壊れる被害を受けた石川県志賀町にある志賀原子力発電所が地震の発生以降初めて報道関係者に公開されました。

志賀原発では能登半島地震の際、1号機の原子炉建屋の地下2階で震度5強相当の揺れを観測しました。

北陸電力は7日、地震の発生以降初めて被害を受けた設備などを報道関係者に公開しました。

2号機の変圧器

このうち、外部から電気を受ける際に使う2号機の変圧器は、配管などが壊れておよそ1万9800リットルの油が漏れ出し、一部が海に流出したとみられています。

故障の様子などはすでに確認できなくなっていましたが、この影響であわせて3系統5回線ある送電線のうち、1系統2回線が今も使えなくなっています。

北陸電力は補修を進めていますが、さらに詳しい調査を行うため、いまのところ復旧のめどは立っていないということです。

ただ、別の系統や非常用電源も確保しているため、使用済み核燃料を保管するプールの冷却など安全上重要な設備の電源は確保されているとしています。

1号機の変圧器

また、同じく地震で壊れた1号機の変圧器も公開され、北陸電力の担当者が2月に仮復旧したことなどを説明していました。

非常用ディーゼル発電機

志賀原発をめぐっては、能登半島地震のあとも、あわせて6台ある非常用ディーゼル発電機のうち1台が試運転中に自動停止するなどトラブルが相次いでいます。

北陸電力 中田睦洋原子力部長(左)

北陸電力の中田睦洋原子力部長は、「初動対応では情報が錯そうする中、情報発信が二転三転し大きな課題を残した。課題の洗い出しと訓練を重ね、対応の向上に努めたい」と述べました。

志賀原発は1号機、2号機ともに2011年から運転を停止していて、このうち2号機については、再稼働の前提となる審査が行われていますが、原子力規制委員会は、今回の地震のメカニズムや周辺の断層の状況など新たな知見を反映させる方針で、審査はさらに年単位で長期化する見通しです。