石川 珠洲 農業設備に多くの被害 今シーズン 米作りに不安の声

能登半島地震のあと石川県珠洲市では、農業設備にも多くの被害が確認されていて今シーズン、米作りを開始できるか不安の声が上がっています。

珠洲市正院町ではおよそ100ヘクタールの水田で米作りが行われていますが、少なくとも20か所以上で、貯水池から田んぼに水を入れるパイプが壊れるなどの被害が確認されています。

石川県によりますと、珠洲市では農地の被害調査が進んでおらず、いまだ全容をつかめていないということで、農地の復旧作業にいつ取りかかることができるか、見通しがたっていないということです。

この地域で50年以上、米作りに携わってきた農家の谷内前吉昭さん(69)は、農機具を購入するために借りた1500万円の返済が残っているため、なるべく早く米作りを再開したいと考えています。

この時期は、種まきをして苗の準備を始める頃ですが田んぼに水を入れられるかわからないままでは、苗がむだになるおそれがあることから、作業を始められないということです。

谷内前さんは「米作りができないと田んぼが荒れてしまう。少し遅れてもいいので作付けできればいい」と話していました。