【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領らのそばにロシアのミサイル着弾

ロシア軍は、2月に掌握したウクライナ東部のアウディーイウカから、さらに西側へ攻勢を強めています。

ウクライナ側も応戦し、激しい攻防が続いているものとみられます。

こうしたなか、ゼレンスキー大統領とギリシャのミツォタキス首相が6日、南部の都市オデーサの港を訪れた際、わずか数百メートルの距離に、ロシア軍のミサイルが着弾しました。

両首脳にけがはありませんでしたが、地元メディアはウクライナ軍の報道官の話として5人が死亡したと伝えています。

この攻撃についてロシア国防省は、「ウクライナ軍の無人艇の格納庫を精密ミサイルで攻撃した」と発表し、標的は軍事施設だったと強調しました。

ゼレンスキー大統領は直後に行った共同会見で、ロシア側の攻撃について「兵士、市民、さらに外国からのゲストであろうと気にしない」と述べて強く非難しています。

ウクライナ陸軍司令官 年内に再び反転攻勢の考え

ウクライナ陸軍のパブリュク司令官は6日、近いうちに前線の状況を安定させ、年内に再び反転攻勢に向けて部隊を編成する考えを示しましたが、ロシア軍がこの春にも攻勢を強めるという見方もあり、戦況は見通せない状況となっています。

ナワリヌイ氏の妻 プーチン政権への反対運動続ける姿勢 鮮明に

ロシアのプーチン政権の批判を続けた反体制派の指導者、ナワリヌイ氏は、先月、ロシアの北極圏にある刑務所で死亡し、3月1日にモスクワ南部の教会で葬儀が営まれました。

ナワリヌイ氏の死因を巡ってはプーチン政権が関与したのではないかとも指摘されていますが、プーチン大統領の側近で、対外情報庁のナルイシキン長官は5日、地元メディアに対し「何らかの陰謀だとは思わない。人間は遅かれ早かれ死ぬものだ。ナワリヌイ氏は自然死だ」と主張しています。

政権側の関与を訴えるナワリヌイ氏の妻ユリアさんは6日、SNSに動画を投稿し、3月15日から17日まで投票が行われる大統領選挙に触れ「選挙の日を利用して私たちが存在し、大勢いることを示す必要がある」と述べました。

その上で、投票の最終日となる17日の正午の時間帯に投票所を訪れてプーチン氏以外の候補に投票したり、投票用紙にナワリヌイ氏の名前を書いたりして抗議するよう呼びかけ、ナワリヌイ氏に代わってプーチン政権に対する反対運動を続ける姿勢を鮮明にしました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は6日「誰かがわれわれの選挙に干渉しようとすれば、もちろんその試みは阻止する」と述べていて、選挙にあわせて国内で反政権の動きが活発になることを警戒しているものとみられます。

IAEA事務局長 プーチン氏と会談 原発の安全確保 協力求めたか

IAEAのグロッシ事務局長は6日、ロシア南部のソチを訪れ、ロシアのプーチン大統領と会談しました。

ロシア大統領府によりますと、会談の冒頭、プーチン大統領は「あなたが議題とする特にデリケートで重要な問題について話し合い、原子力に関するあらゆる点において安全確保の措置を講じる用意がある」と述べたのに対し、グロッシ事務局長は「いまは非常に重要な時期で、課題について話し合うつもりだ」と応じたと言うことです。

会談では、ロシア側が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の安全の確保について話し合われ、グロッシ事務局長は会談後に「重要な意見交換を行った」とSNSに投稿しました。

ザポリージャ原発は、相次ぐ砲撃などによって原子炉の冷却などに必要な外部からの電力の供給がたびたび途絶えるなど安全性への懸念が続いています。

IAEAはこれまでも原発の安全確保に向けてロシアとウクライナの双方と協議を続けていますが、今回の訪問で改めてプーチン政権に協力を求めたものとみられます。