ロシア「中国と共同で月面に原発施設構想を検討」欧米を威嚇か

ロシア国営の宇宙開発公社は中国と共同で月面に原子力発電施設を設置する構想を検討していると明らかにし、アメリカのシンクタンクは両国は戦略的な協力を促進させることで、欧米側を威嚇するねらいもあると分析しています。

ロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」の社長は5日、中国と共同で2033年ごろから、月面に原子力発電施設を設置する構想を検討していると明らかにしました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「構想は奇妙なものだ」としたうえで、「ロシアと中国は衛星監視や宇宙探査を含め、戦略的な宇宙協力を深めている。両国は長期的、戦略的な協力を促進させることで、欧米側に対抗し威嚇するねらいもあるとみられる」と分析しています。

一方、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの空軍は6日、ウクライナ各地に対してロシア側から5発のミサイルと42機の無人機による攻撃があったと発表しました。

このうち、無人機38機を撃墜したということですが、北東部スムイ州では集合住宅などが被害を受け、7人がけがをしたほか、東部ハルキウ州では学校の校舎が損傷するなど、住宅やインフラ施設に被害が出ているということです。

ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、ICC=国際刑事裁判所が5日、ウクライナの民間のインフラ施設を攻撃した戦争犯罪などの疑いで、ロシア軍の幹部2人に対して逮捕状を出したばかりです。