ヒトのiPS細胞などで受精卵に似た細胞研究 “一定の規制必要”

ヒトのiPS細胞などから受精卵によく似た細胞を作る研究について、国の専門調査会の作業部会は、倫理的な問題が指摘されることから、ヒトでの研究には一定の規制が必要だなどとする検討結果を報告しました。今後、専門調査会で議論を進め、規制のあり方について検討するということです。

これは6日、開かれた内閣府の生命倫理専門調査会の会合で報告されました。

あらゆる組織などになることができるヒトのiPS細胞やES細胞から受精卵によく似た細胞を作り出す研究は、受精卵から胎児に向かう初期の過程を再現できるとして、国内外で研究が行われています。

一方で、今後、研究が進めば胎児に近い状態まで作ることができるようになる可能性もあるなど、倫理的な問題も指摘されることから、専門調査会では作業部会を設けて対応を検討してきました。

作業部会では6日、検討結果を報告し、この中で、研究を進めていく際には一定の規制を設ける必要があるとし、具体的な例として
▽作り出した細胞をどこまで成長させるのかなど研究の計画について事前に倫理審査を受けることや
▽作り出した細胞をヒトに移植したり、胎児を作ったりする研究は禁止することなどを挙げました。

作業部会では検討結果を最終的な報告としてまとめるということで、これを受けて、専門調査会が規制のあり方や具体的な内容について議論を進めていく方針だということです。