オープンAI 会社提訴のマスク氏に反論の声明発表

ChatGPTを開発したアメリカの企業オープンAIは、会社を提訴している起業家のイーロン・マスク氏に対して反論する声明を発表しました。利益追求を批判するマスク氏の主張に矛盾があると指摘しています。

イーロン・マスク氏は2015年、サム・アルトマンCEOとともにオープンAIの設立に関わり、資金も提供しました。

もともとこの会社は、AI開発の安全性を確保するため非営利の研究機関として設立されましたが、その後、会社が利益を追求しているのは契約違反だとして、提供した資金の返還を求める訴えを2月29日に起こしました。

これに対して、オープンAIは5日、「安全なAIを開発するとともに、その利益を広く分配することが会社の使命だ」と反論する声明を発表しました。

また、マスク氏が会社の幹部に宛てた当時の電子メールを公開しました。

そして
▽AIの開発には巨額の資金が必要で、営利目的の事業が必要であることをマスク氏も認識していたことや
▽EVメーカーのテスラと経営統合させる提案をしていたことなども明らかにして、マスク氏の主張には矛盾があると指摘しています。

オープンAIをめぐっては、取締役会が責任を持つ非営利組織が営利目的の会社を監督する特殊な構造になっていて、路線対立から去年11月にはアルトマンCEOが一時、解任される事態も起きました。