東日本大震災で被災 宮城の大学生が被災地に “何か恩返しを”

まもなく発生から13年となる東日本大震災で被災した宮城県の大学生たちが能登半島地震の被災地に入り、ボランティア活動をしました。学生の1人は「さまざまな支えがあって東北は復興に向けて進むことができたので、自分も何か恩返しができないかと思って参加しました」と話しています。

ボランティア活動を行ったのは宮城大学の1年生と3年生、それに石川県出身の副学長の合わせて8人です。

3月3日から、輪島市や七尾市で避難所の人たちに、ちらしずしや温かいみそ汁を作って提供したり、住宅の片づけ作業を手伝ったりしました。

参加した学生のうち、5人は13年前に発生した東日本大震災で被災していて、このうち、仙台市出身で3年生の菅原野さんは小学2年生の時に自宅が全壊するなどしました。

当時、車で寝泊まりする生活を余儀なくされる中で全国各地から途切れることなく訪れるボランティアの人たちの支援に元気をもらい、その時のことが強く心に残っているといいます。

菅原さんは今回、被災者の生活状況に関する輪島市の社会福祉協議会のアンケート調査にも協力し、高齢者から話を聞く中でみずからの経験もとに「一緒に頑張りましょう」と声をかけると、涙ぐむ人もいたということです。

6日、8人は内灘町の液状化で甚大な被害が出た地域を回って現地の状況を確認しました。

7日に宮城県に戻る予定で、今後も被災地の支援を続けたいとしています。

菅原さんは「さまざまな人たちの支えがあって東北は復興に向けて進むことができたと感じます。今回こそは、自分も何か恩返しができないかと思って参加しました」と話しています。

そのうえで、「被災者の方から話を聞く中で、抱えている悩みは当時の自分たちと同じだと強く感じました。まだまだボランティアが活動できていない場所が多く、今回はできることも限られていたので、今後も定期的に参加して被災地の復興に携わっていきたいと思っています」と話していました。