米大統領選 共和党ヘイリー氏 撤退 トランプ氏 指名獲得確実に

秋のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びでトランプ前大統領と争っていたヘイリー元国連大使が選挙戦からの撤退を表明し、トランプ氏の党の指名獲得が確実な情勢となりました。

与党・民主党のバイデン大統領との対決が見込まれる本選挙に向けてトランプ氏が党の結束を図れるかが今後の焦点となります。

ヘイリー氏は6日午前、日本時間の7日未明、南部サウスカロライナ州チャールストンで演説し「国じゅうから寄せられた多くの支援に感謝の気持ちでいっぱいだが、選挙戦をやめる時がきた」と述べて、選挙戦から撤退すると表明しました。

ヘイリー氏の撤退によって共和党から立候補していたトランプ氏以外の主要候補がすべて撤退することになり、トランプ氏が夏の共和党大会で指名を獲得することが確実な情勢となりました。

ヘイリー氏はトランプ氏に祝意を示す一方、支持は明言せず、「トランプ氏が党内外で彼を支持しなかった人たちの票を獲得できるかどうかは彼次第だ。最良の政治は人々を遠ざけるのではなく、みずからの大義に引き入れることだ。彼は選択する時だ」と述べました。

ヘイリー氏は前日5日のスーパーチューズデーでトランプ氏に15州のうち14州で勝利されて一段と差をつけられ、選挙戦を継続するかどうかに注目が集まっていました。

秋の大統領選挙に向けて与党・民主党側は、現職のバイデン大統領の党の指名獲得が確実な情勢です。

共和党内ではトランプ氏と距離を置く層が一定程度、ヘイリー氏の支持に回っていたことから、トランプ氏がバイデン大統領との対決が見込まれる本選挙に向けて党の結束を図れるかが今後の焦点となります。

トランプ氏とバイデン氏 ヘイリー氏の支持者にアピール

ヘイリー元国連大使の選挙戦からの撤退を受けて、本選挙での対決が見込まれるトランプ前大統領とバイデン大統領は、ヘイリー氏を支持してきた人たちの取り込みを図ろうと早速、アピールしました。

このうち、トランプ氏は自身のSNSに「ヘイリー氏の支持者全員にアメリカ史上最大の運動に参加するよう呼びかけたい。バイデン氏は敵であり、私たちの国を破壊している。アメリカを再び偉大にしよう」と投稿しました。

一方、バイデン大統領は声明を発表し「ヘイリー氏はトランプ氏につきまとう混乱や善悪の区別がつかないことなど真実を語ろうとしていた」としました。

そして「トランプ氏はヘイリー氏の支持者を求めていないことを明らかにした。私の選挙戦には彼らの居場所はある」として支持を呼びかけました。

トランプ氏 バイデン大統領に討論会応じるよう求める

アメリカ大統領選挙の野党・共和党の候補者として指名獲得が確実な情勢となったトランプ氏は6日、SNSに「アメリカやアメリカ国民にとって不可欠な課題をバイデン氏と討論することが重要だ」としてバイデン大統領に対し自分との討論会に応じるよう求めました。

討論会はいつでも、どんな場所でもよいとしていて、大統領選挙に向けてバイデン大統領との対決姿勢を改めて強調した形です。

トランプ氏は、これまで共和党の候補者選びの過程で行われた討論会については「すでに十分な知名度がある」などとしてすべて欠席していました。