【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを詳しくお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ICC ロシア軍幹部2人に逮捕状 戦争犯罪などの疑い

オランダ・ハーグにあるICC=国際刑事裁判所は5日、ロシア航空宇宙軍で長距離航空部隊を率いるセルゲイ・コビラシュ司令官とロシア海軍、黒海艦隊のトップ、ビクトル・ソコロフ司令官に対し、戦争犯罪などの疑いで逮捕状を出したと発表しました。

裁判所は2人について、2022年10月から2023年3月にかけて、ウクライナの電力インフラに対するロシア軍のミサイル攻撃への責任があると信じるに足る理由があるとして、軍事目標以外を故意に攻撃するなどした戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いがあるとしています。

ソコロフ司令官をめぐっては、ウクライナ軍が去年9月に行った攻撃で死亡したと発表していますが、ロシア側は否定していて、その後も安否や動静についての情報が錯そうしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「民間人や重要インフラへの攻撃を命令するロシア軍の司令官らは正義が果たされることを知っておくべきだ」と歓迎しています。

ロシア大統領府の報道官 身柄の引き渡しに応じない考え

ICC=国際刑事裁判所がロシア軍の幹部2人に戦争犯罪などの疑いで逮捕状を出したことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は6日、「われわれはこの法令の当事者ではなく、これを認めない」と述べ、ロシアはICCの加盟国ではなく、身柄の引き渡しに応じないという考えを示しました。

ICCは去年3月には、占領したウクライナの地域から子どもたちをロシア側へ移送した戦争犯罪の疑いでプーチン大統領など2人に逮捕状を出していますが、ロシア側は強く反発しています。

ロシア “中国と月面に原子力発電施設構想” 欧米を威嚇か

ロシア国営の宇宙開発公社は中国と共同で月面に原子力発電施設を設置する構想を検討していると明らかにし、アメリカのシンクタンクは両国は戦略的な協力を促進させることで欧米側を威嚇するねらいもあると分析しています。

ロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」の社長は5日、中国と共同で2033年ごろから、月面に原子力発電施設を設置する構想を検討していると明らかにしました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「構想は奇妙なものだ」としたうえで、「ロシアと中国は衛星監視や宇宙探査を含め、戦略的な宇宙協力を深めている。両国は長期的、戦略的な協力を促進させることで、欧米側に対抗し威嚇するねらいもあるとみられる」と分析しています。

ウクライナ空軍 “ロシアの無人機38機撃墜も住宅など被害”

一方、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの空軍は6日、ウクライナ各地に対してロシア側から5発のミサイルと42機の無人機による攻撃があったと発表しました。

このうち、無人機38機を撃墜したということですが、北東部スムイ州では集合住宅などが被害を受け、7人がけがをしたほか、東部ハルキウ州では学校の校舎が損傷するなど、住宅やインフラ施設に被害が出ているということです。

ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、ICC=国際刑事裁判所が5日、ウクライナの民間のインフラ施設を攻撃した戦争犯罪などの疑いでロシア軍の幹部2人に対して逮捕状を出したばかりです。

ウクライナ東部 アウディーイウカ周辺 激しい攻防

ロシアのショイグ国防相は5日、国防省での会議で、ロシア軍は先月掌握したウクライナ東部のアウディーイウカから、さらに西側へ攻撃を強め、進軍していると発表しました。

一方、ウクライナ軍はアウディーイウカ方面などでロシア側の進軍を食い止めていると発表し、双方による激しい攻防が続いているものとみられます。