地震で損傷の事業者などのパソコンデータを無償復旧 富山 高岡

能登半島地震の影響で損傷を受けた事業者などのパソコンのデータを無償で復旧する作業が5日から富山県高岡市で始まりました。

能登半島地震では地震による揺れや津波などの影響で家屋が倒壊したり浸水したりして会社のパソコンなどの機器が損傷し、保存されていたデータが失われる被害も出ました。

このため、データの復旧を行っている東京の会社などが事業者と自治体を対象に無償で支援することを決め、高岡市で機器の受け付けを始めました。

5日は、事前に申し込みをした事業者が訪れ、このうち、石川県中能登町の67歳の農家の男性は、地震の揺れで家財が落下して使えなくなったパソコンのハードディスクを持ち込み破損状況などを説明しました。

また、石川県珠洲市のフリーカメラマン、松田咲香さん(37)は、津波で浸水したパソコンのハードディスクを持ち込み、保存した画像のデータが確認できていないことなどを伝え担当者が早速、機器の状態を確認していました。

農家の男性は「とにかく農業を再建をしないといけない中で失ったデータの対応に時間を取られるのはつらいので復旧したら本当に助かります」と話していました。

また、フリーカメラマンの松田さんは「5年10年と積み重ねて、自分が人生をかけて撮ってきた写真が入っているので復旧してほしいです。データが戻ったら被災した人のモチベーションをあげるように使いたいです」と話していました。

データの復旧にあたる「デジタルデータソリューション」の熊谷聖司社長は「データは戻らないと思っている人が多いですが9割位は復旧できるので1件でも多くのデータを復旧したいです」と話していました。

東日本大震災でもデータ復旧サービス

今回、無償でデータの復旧作業を行う東京の会社は東日本大震災や熊本地震でもデータを復旧するサービスを行っていて、災害によるデータ復旧の相談は3700件以上にのぼるということです。

また、この会社ではスマートフォンのデータ復旧や解析なども行っていて、特殊詐欺事件や殺人事件などの捜査協力も行っているほか、おととし北海道 知床半島沖で発生した観光船の沈没事故のときも、海の中から発見されたスマートフォンのデータを復旧したということです。