公明代表 “国民の信頼回復進まず” 衆院の早期解散に慎重姿勢

公明党の山口代表は自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けた国民の信頼回復が進んでいないとして、衆議院の早期の解散に慎重な姿勢を示しました。

岸田総理大臣は4日、国会で「来月の衆議院の補欠選挙にあわせて、一か八かの『裏金解散』を考えているのではないか」と問われ「全く考えていない」と答弁しました。

これについて公明党の山口代表は記者会見で「政治不信が深まっている状況を裏付けるように支持率が下がり続けており、信頼を回復するトレンドを作り出さないかぎり、解散はすべきではない」と述べ、衆議院の早期の解散に慎重な姿勢を示しました。

一方、政治倫理審査会に先週出席した安倍派の4人について「やり取りに少し食い違いがあり、不透明な部分があるように受け止められた。説明責任が十分ではないと指摘されてもやむをえず、今後の取り組みを待ちたい」と述べ、説明責任を果たすため、何らかの対応が必要だという認識を示しました。

そして、自民党の下村元政務調査会長が、審査会が開催されれば出席して説明責任を果たしたいと表明したことについて「自民党としてどう対応するかにかかっており、信頼回復に向けた取り組みを期待したい」と述べました。

さらに、早ければ来週開催される見通しの参議院政治倫理審査会について「出席者の優先順位を決め、フルオープンで説明責任が尽くされ、政治の信頼回復に結び付くようなあり方を検討してもらいたい」と述べました。

自民 森山総務会長「発言はきのうまでのこと」

自民党の森山総務会長は記者会見で「きのうの参議院予算委員会での岸田総理大臣の発言はそのとおりだと思う。きのうまではそうだったのだろう」と述べました。

そのうえで、記者団が今後の状況しだいでは早期の解散もありえるのかと質問したのに対し「それは岸田総理大臣でなければ分からない」と述べました。

立民 岡田幹事長「このまま解散なら厳しい批判浴びる」

立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で「連立のパートナーである公明党の山口代表が言えば、それなりの抑制力はあるかもしれないが、野党が何を言っても関係なく、岸田総理大臣が解散したいと思えばいつでもできるので、あまり議論する必要はない。いつ解散があっても準備できるようにしておかなければならないが、これだけ国民が疑念を持ち、深まっている中で、このまま解散になれば、厳しい批判を浴びることになる」と述べました。

共産 田村委員長「野党が解散に追い込んでいく国会に」

共産党の田村委員長は記者会見で「今やるべきは政治資金をめぐる問題の事実解明で、それもないままに国民に信を問うというのはいかがなものか。同時に、国民からこれだけ信を失っている政権がいつまでも続いていいはずがない。野党が解散に追い込んでいく国会にしなければならない」と述べました。