千葉県東方沖の地震活動 2007年と傾向類似 “注意を” 専門家

2月下旬から千葉県東方沖やその周辺で相次いでいる地震について、専門家は、地震活動が徐々に陸側に拡大するなど過去のケースと傾向が似ているとしたうえで、今後、震度5弱程度の地震が起きる可能性があるとして注意を呼びかけています。

千葉県東方沖やその周辺では、2月26日から地震活動が活発になっていて、震度1以上の揺れを観測した地震は30回を超えているほか、政府の地震調査委員会は、陸側と海側のプレートの境界がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」が起きているとみられるとしています。

地震のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の加藤愛太郎教授によりますと、今回は「スロースリップ」に伴って、より深い場所で揺れを伴う地震が起きているとみられるということです。

一連の地震を分析した結果、この1週間ほどの間に、一日およそ5キロの速さで地震活動が海側から陸側に拡大していたことがわかりました。

これは、2007年8月から11月にかけてみられた地震活動と傾向が似ているということで、このときも「スロースリップ」が起きていました。

当時は、マグニチュード5クラスの地震が起き、最大で震度5弱の揺れが観測されていて、今回も「スロースリップ」に誘発されて、強い揺れを伴う地震が起きる可能性があると指摘しています。

そのうえで、加藤教授は「『スロースリップ』が起きているとみられる領域より浅い場所では、ひずみがたまっているとみられ、マグニチュード7クラスのより大きな地震が起きる可能性もゼロではない。耐震化や家具の固定など、地震への備えが重要だ」と話しています。