参院政倫審 自民と立民が日程調整へ 早ければ来週開催の見通し

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、参議院では、自民党と立憲民主党が近く政治倫理審査会の開催を決めることで合意しました。具体的な日程などを調整することにしていて、審査会は早ければ来週、開催される見通しです。

今回の問題を受けて参議院では、先に立憲民主党など野党4党が自民党の議員31人、在宅起訴されて自民党を離党した議員の合わせて32人の出席を求め、政治倫理審査会を開催するよう申し立てています。

これを受けて、自民党の石井参議院国会対策委員長と立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長が5日に国会内で会談しました。

そして、審査会を開催することを今週8日に決めたうえでその後、議員本人に出席の意向を確認するとともに具体的な日程などを調整することで合意しました。

弁明のための審査会は早ければ来週開催される見通しです。

参議院の審査会をめぐっては、安倍派の世耕前参議院幹事長が開催されれば出席する意向を明らかにしています。

また、会談では、新年度予算案を審議している参議院予算委員会の審議日程について、8日午後に岸田総理大臣らに出席を求めて集中審議を行うことや、来週12日に有識者から意見を聴く公聴会を開くことなども申し合わせました。

自民 石井参院国対委員長 “来週には審査を行いたい”

自民党の石井参議院国会対策委員長は記者団に対し「審査会の開催を議決してから、規則にのっとって弁明するかどうかなど議員本人の希望も確認しなければならない。出席の希望者が出てきて準備が間に合えば来週には審査を行いたい」と述べました。

立民 斎藤参院国対委員長 “公開でなければ意味ない”

立憲民主党の斎藤参議院国会対策委員長は記者団に対し「野党側が申し立てた全員に審査会で説明してもらいたい。それが全容の解明につながってくる。派閥幹部の関わりや、還流の詳細、それに特に参議院では選挙の年に全額、還流されていたのではないかという報道もあり、そのことも明らかにする必要がある」と述べました。

そのうえで「審査会を全面公開することが国会のあるべき姿だ。『なぜ悪くないか』を知ってもらうための弁明なので、公開でやらなければ意味がない」と述べました。

維新 音喜多政調会長“オープンな形で早期開催を目指す”

日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者会見で「野党が申し立てをした32人全員について、オープンな形で早期に開催することを目指したい。衆議院の審査会では、安倍派でキックバックが再開された経緯や、どのような意思決定をして物事が進んでいるのかわからなかった。なるべく多くの議員にこうしたことを聞き、ひもといていけば、なぜ裏金づくりが横行してきたのか、少なくともヒントはつかめると思う。細かく聞いていきたい」と述べました。

共産 田村委員長 “参院で解明すべきは選挙の年の裏金”

共産党の田村委員長は記者会見で「『政治資金収支報告書に記載するな』というのが誰の指示なのか、野党側が出席を求めている32人から聞いて明らかにすることは絶対に必要で、国会の責務だ。参議院で解明すべきは選挙の年の裏金で、寄付の扱いにせず国民の目に見えないお金にしたことは相当よくない。きちんと物証をもって説明が行われるべきだ」と述べました。

国民 玉木代表 “全員が出てきて話してもらいたい”

国民民主党の玉木代表は記者会見で「参議院では、野党側が求めている全員が出てきて、どういった経緯だったのか、若い人も含めて話してもらいたい。複数人が出て話せば矛盾が出てくるので、それを追及するために参考人招致や証人喚問を求める1つのきっかけになる」と述べました。

一方、衆議院での審査会について「国民の疑問は、安倍派の裏金問題が、いつから誰の指示で始まって、お金を何に使うつもりだったのかだ。事務総長経験者の下村元政務調査会長や、非常に大きな額を受け取った萩生田前政務調査会長が出席し、派閥のトップ経験者である森元総理大臣にも参考人招致などで出てもらって経緯を明らかにしなければ、真相解明には至らない」と述べました。