フランス「女性が人工妊娠中絶 行う自由」憲法に明記 正式決定

フランスの議会は上下両院による合同会議を開き、女性が人工妊娠中絶を行う自由を憲法に明記することを賛成多数で承認し、憲法への明記が正式に決まりました。

パリ郊外のベルサイユ宮殿では4日、議会の上下両院による合同会議が開かれ、女性が人工妊娠中絶を行う自由を憲法に明記することを賛成多数で承認しました。

この法案は両院での可決を経てマクロン大統領が合同会議に付託していたもので、これによって憲法への明記が正式に決まりました。

フランスでは、1975年に人工妊娠中絶が合法化されていて、現地のメディアは中絶の権利を憲法に明記する国は世界で初めてだと伝えています。

フランスメディアによりますと、おととし11月の世論調査で国民の86%が人工妊娠中絶を憲法上の権利とすることに賛成していて、今回の決定の背景には、アメリカやほかのヨーロッパの国々で中絶を規制する動きが強まっていることに対抗するねらいがあるという見方も出ています。

パリ中心部では今回の決定を祝う人たちが集会を開き、参加した26歳の女性は「フランスでは、二度と中絶の権利を争う必要はなくなった。保守や極右の勢力が政権を握っても、この権利が奪われることはない」と話していました。

また、38歳の女性は「自分の体を自分のものとする権利がようやく認められた」と話していました。