パキスタン シャリフ首相 再就任も政治の安定や国内経済に課題

パキスタンの新しい首相に去年まで首相を務めたシャバズ・シャリフ氏が再び就任し、政治の安定や、混乱が続く国内経済を立て直せるかが課題になります。

シャバズ・シャリフ氏は3日、議会下院で新たな首相に選出され、4日、首都イスラマバードで、アルビ大統領の立ち会いのもと、宣誓を行いました。

シャリフ氏は72歳で、パキスタンの政治に強い影響力を持つ軍とも良好な関係を保っているとされ、去年8月に首相を退いたあと、選挙管理内閣をはさんで事実上、続投する形です。

2月の総選挙では、シャリフ氏や兄のナワズ・シャリフ氏が率いる与党「イスラム教徒連盟シャリフ派」は議席が過半数に届かず、ほかの政党との連立政権となる一方、野党は、票の発表に不正があったなどとして抗議活動を続ける構えで、今後の混乱も予想されます。

パキスタンでは、おととし、大規模な洪水が発生して以降、物価の高騰や失業者の増加など経済の混乱が続いていて、シャリフ氏が安定した政権運営を行いながら、IMF=国際通貨基金の継続的な支援を受けるための交渉を進め、経済を立て直せるのかが課題になります。