六甲山 暖冬影響で「天然のクーラー」に利用の氷が厚さ不足

神戸市の六甲山の展望台では、毎年、池に張った氷を切り出して貯蔵し、夏に「天然のクーラー」として利用していますが、この冬は暖冬の影響で十分な氷ができず、代わりにスキー場の雪を運ぶ作業が行われました。

神戸市灘区の六甲山の山頂近くにある展望台「六甲枝垂れ」では、毎年1月に池に張った氷を切り出して地下の「氷室」で貯蔵し、夏に「天然のクーラー」として利用しています。

この冬は気温が高い日が多く、十分な厚さの氷ができなかったため、4年前の2020年以来、氷の切り出し作業が中止されました。

展望台を運営する会社は、代わりに、近くにあるスキー場の人工の雪を移して貯蔵することにしました。

今シーズンの営業を終えたばかりのスキー場に4日、スタッフが集まり、チェーンソーやスコップを使って厚さ20センチほどの雪のかたまりを切り出し、トラックに載せて氷室へと運びました。

運営会社によりますと、スキー場の人工の雪を運び込んだのは初めてで、氷よりとけやすいため例年通り「天然のクーラー」の体験ができるかどうかは分からないということです。

運営会社「六甲山観光」の森永志歩さんは、「雪を運ぶのが大変ですが、作業は順調に進んでいます。暖冬は今後も続くかもしれないので、この雪が使えたら、来年以降も取り入れたいです」と話していました。