米 副大統領 ガザ地区の戦闘休止など 合意の早期実現呼びかけ

ガザ地区での戦闘休止などをめぐる交渉の先行きが見えない中、アメリカのハリス副大統領は「ガザ地区の人々のはかりしれない苦しみを考えると、すみやかに停戦しなければならない」と述べ、合意の早期実現を呼びかけました。

エジプトのカイロには3日、ハマスの代表団や仲介役のカタールなどが到着して、ガザ地区での戦闘休止や人質の解放などをめぐる交渉が行われているとみられます。

ただイスラエルのメディアは、ハマス側が生存している人質のリストを示さなかったことなどを理由にこれまでにイスラエルは代表団を派遣していないと報じていて、交渉の先行きは見えていません。

こうした中、アメリカのハリス副大統領は3日南部アラバマ州で行った演説で「ガザ地区の人々のはかりしれない苦しみを考えると、すみやかに停戦しなければならない」と述べ、イスラエルとハマスの双方に対してアメリカも関わっている交渉での合意を強く求めました。

また、ガザ地区の状況について「人道上の大惨事だ」としたうえで「イスラエル政府はガザ地区への人道物資を大幅に増やすためにもっと多くのことをしなければならない。言い訳は不要だ」と述べ、これまでにない強い表現でイスラエル側の対応を求めました。

イスラエル軍は3日も、ガザ地区への空爆でハマスの主要メンバーの1人を殺害したと発表するなど軍事的な圧力を強めていて、これまでの一連の衝突によるガザ地区での死者は3万534人に上っています。

イスラム教の断食月ラマダンが始まるまでに、戦闘の休止が実現しガザ地区の人道状況に一時的でも改善の兆しが見えるのか、見通せない状況が続いています。