“住職から十数年にわたり性暴力” 天台宗が聞き取り調査開始

四国にある天台宗の寺の住職から十数年にわたって性暴力を受けたと尼僧が訴えていることを受けて、天台宗が4日から聞き取り調査を始めました。

四国に住む50代の尼僧の法名・叡敦さんは四国にある天台宗の寺の60代の住職から「逆らうと地獄に落ちる」などとどう喝され、去年1月まで十数年にわたり性暴力などを受けたと訴えていて、80代の大僧正についても助けを求めても相手にされなかったとして、2人の僧籍を取り上げるよう天台宗に申告書を送っていました。

天台宗はこの申し立てを受理し、4日午後、大津市にある天台宗務庁で、叡敦さんへの聞き取り調査を始めました。

調査のあと大津市内で会見した叡敦さんによりますと、聞き取り調査はおよそ2時間におよび、参務と呼ばれる役員2人から申告書の内容などについて質問を受けたということです。

叡敦さんは会見で「かつて言われた暴言が壊れたカセットのように今も頭の中で回っているような状態です。10年以上たってようやく土俵にたつことができたという気持ちです」と話していました。

天台宗では、今後も調査を行い、審議することにしていますが、結果を公表する予定はないとしています。

60代住職「宗務庁から声がかかれば対応」

一方、60代の住職はNHKの取材に対し「まだ調査を受けていないが宗務庁から声をかけられれば対応したい。今、私から申し上げられることはありません」と話しています。