石川 大きな被害受けた高齢者施設 一部除き再開見通し立たず

能登半島地震で大きな被害を受けた、石川県輪島市にある入居型高齢者施設では、すべての利用者が市外に避難を余儀なくされ、いまだに戻れない状況が続いています。施設側によりますと、一部を除いて再開の見通しが立っていないということです。

輪島市によりますと、市内には特別養護老人ホームやグループホームといった入居型高齢者施設が合わせて16か所あり、このうち12か所では443人の利用者がいましたが、施設に大きな被害が出たため、すべての利用者が市外に避難し、いまだに戻れない状況が続いています。

このため輪島市や病院、それに施設などの関係機関が4日、今後の介護や医療体制について検討する会議を開きました。

会議は非公開で行われ、関係者によりますと、このなかで輪島地区と東部地区にある施設では断水が続いていて、一部を除いて再開の見通しが立たないことが報告されました。

また、介護職員も避難を余儀なくされていて、人手の確保が難しくなっていることも再開に向けた課題だということです。

一方、輪島地区にある特別養護老人ホーム「輪島荘」が、6月にも再開を目指すという見通しを示したほか、地域で唯一の総合病院、市立輪島病院が来月から、一般病床の一部を要介護者向けに転換するなど、一部で受け入れに向けた動きを進めていることが報告されたということです。

市立輪島病院の河崎国幸事務部長は「輪島にどのように戻ってきてもらうかを話し合った。病院としては医療だけでなく、福祉でも地域を助けたい」と話していました。