東京大空襲を経験の96歳女性 被害者救済の法案成立訴え 東京

79年前の東京大空襲を経験した96歳の女性が東京 墨田区で行われた集会で自身の体験を語り、戦後、補償の対象とならなかった空襲の被害者を救済する法案の成立を訴えました。

昭和20年3月10日の東京大空襲では、アメリカによる空襲で東京は下町を中心に壊滅的な被害を受け、およそ10万人が犠牲になりました。

この大空襲から79年となるのを前に、被害者や遺族などでつくる団体が4日、墨田区で集会を開き、空襲でけがをして障害や傷痕が残った人などを救済する法案を一刻も早く成立させるよう訴えました。

集会では、東京大空襲を経験した利光はる子さん(96)が、当時の体験を語りました。

利光さんは両親と弟の4人で現在の墨田区に住んでいましたが、空襲に遭い火の粉が降り注ぐ中、家族と離れ離れになって逃げたといいます。

そして、逃げた先の学校で家族と再会しましたが、母親は大きなやけどを負っていて水やスープも口にすることができず、その後、亡くなったという経験を語りました。

集会の最後に、団体は「被害者の多くは80歳を超え、国はわれわれがこのまま死ぬのを待っているのかもしれませんが、次の世代と未来のために努力を今後も続けます」などとして、救済法案の早期の成立を求めました。