富山 高岡 液状化で離れる住民相次ぐ石坂地区 住宅解体の動き

能登半島地震で液状化の被害が出た富山県高岡市の石坂地区では地区を離れる住民が相次いでいて転居を決めた住民の家で解体作業が始まりました。

富山県高岡市の石坂地区では、液状化で家が傾き、地盤の復旧のめども立たないなどとして、自治会によりますと69世帯のうち4割近い26世帯が、地区を離れると決断したり、検討したりしています。

地区では転居を決めた住民が住宅を取り壊す動きが出ていて、4日は紺谷節子さん(77)など3世帯が住む長屋造りの住宅で解体作業が始まり、作業員が処分する家財道具をトラックに積み込んでいました。

紺谷さんは先月、50年間住んだ家を離れ、市内の空き家を借りて夫と暮らしています。

この地区は伝統の「伏木曳山祭」が行われる地域ですが、今後は地域社会の活動やつながりの維持が課題です。

また、高岡市は全額公費で行う家の「公費解体」を「半壊」以上を対象に早ければ7月ごろに行いたいとしています。

紺谷さんの家は「準半壊」で「公費解体」の対象外ですが、紺谷さんは判定の見直しを求めて市に再調査を実施してもらい、その結果待ちだということです。

紺谷さんは「地域を離れるのはさみしいですが、この年齢で、新居を建てる資金も気持ちもないので、解体することにしました。きょうは誕生日で、悲しい日になりましたがこれから頑張ります」と話していました。