国内企業の設備投資14兆円超 10~12月3か月間で去年は過去最高

財務省が発表した法人企業統計調査で、去年10月から12月までの国内企業の設備投資の総額は14兆円余りと、10月から12月までの3か月間として過去最高となりました。電子部品の生産体制の強化や通信設備の拡充に向けた投資が増えたことが主な要因です。

法人企業統計調査は、3か月に1度、資本金1000万円以上の3万社余りを対象に行っています。

去年10月から12月までの金融と保険を除いた国内企業の設備投資の総額は、14兆4823億円で、前の年の同じ時期に比べて16.4%増え、11期連続の増加となりました。

10月から12月までの3か月間の額としては過去最高です。

業種別にみると、製造業で20.6%、非製造業で14.2%、それぞれ増加しました。

電子部品メーカーなどによる生産体制を強化するための投資や、情報通信業による基地局を拡充するための投資が増えました。

また企業の経常利益の総額は25兆2754億円で、自動車メーカーの増産やサービス業の価格転嫁が進んだことなどから、前の年の同じ時期より13.0%増えました。

こちらも10月から12月までの3か月間の額としては過去最高です。

財務省は「景気が緩やかに回復している状況を反映したものと考えているが、今後については、海外景気の下振れや物価上昇の影響を注視していきたい」としています。

去年10月~12月GDP上方修正か

4日発表された「法人企業統計調査」の「設備投資」の数値は、今月11日に公表される去年10月から12月までのGDP=国内総生産の改定値に活用されます。

GDPの速報値の段階では「法人企業統計」が公表されていないため、設備投資は、生産動態統計や鉱工業生産指数などをもとにした推計値が出されています。

4日の「法人企業統計」で、去年10月から12月までの設備投資が前の年の同じ時期より16%余り増えたことなどから民間の調査会社の間では、去年10月から12月までのGDPが上方修正されるという予測が出ています。

調査会社10社によりますと「設備投資」は前の3か月と比べた実質の伸び率が速報値のマイナス0.1%から、改定値ではプラス1.7%から3.8%に上方修正されると予想されています。

また実質の成長率は、年率に換算して速報値でのマイナス0.4%から、改定値でプラス0.7%から1.8%となると予測されています。