伊豆諸島 神津島 25人乗り漁船座礁 日本人1人死亡 24人救助

3日夜、伊豆諸島の神津島の北側で、日本人とインドネシア国籍の乗組員合わせて25人が乗った鹿児島県のマグロ漁船が座礁しました。海上保安本部によりますと、このうち24人が救助され、一時行方がわからなくなっていた日本人の乗組員1人が死亡しました。

第三管区海上保安本部によりますと、3日夜11時前「鹿児島県のマグロ漁船『第八福栄丸』が神津島北側で座礁した」と通報がありました。

船には、日本人5人とインドネシア国籍の20人の合わせて25人が乗っていて、このうち船の上に残っていた24人が海上保安庁のヘリコプターで救助され、命に別状はないということです。

事故のあと、日本人の乗組員で宮城県気仙沼市の佐々木正一さん(67)の行方が分からなくなり、海上保安本部が捜索活動を続けた結果、4日午前9時前に神津島北西の海岸で発見され、その後死亡が確認されました。

第八福栄丸は、静岡県の港を出発したあと、3日夜9時ごろ、船から「エンジンが故障して漂流し始めた」などと通報が入り、およそ2時間後に座礁したということで、海上保安本部が事故の原因を調べています。

神津島村 “島内に24人運び込まれた”

東京の神津島村によりますと、島内には、これまでに漁船に乗っていた25人のうち行方がわからなくなっている1人を除いた24人が運び込まれたということです。

このうち3人は村の診療所に搬送され、1人は骨折の疑いがあるものの、いずれも命に別状はないということです。

このほかの21人は村役場近くにある「生きがい健康センター」に一時的に避難しているということです。

約1年の南米沖でのマグロ漁のため清水港を出港

「第八福栄丸」が所属する鹿児島県いちき串木野市の串木野市漁業協同組合では、4日朝から職員が情報収集などの対応に追われています。

漁協によりますと「第八福栄丸」は3日午前11時に静岡県の清水港を出港し、およそ1年間のマグロ漁のため南米沖に向かっていたということです。

いちき串木野市にある船の所有会社の社長も見送りのため清水港にいて、現地で事故の対応にあたっているということです。