“トコジラミ発生” SNS拡散 仏政府がロシア関与と批判

フランスでは去年秋に列車の車内で害虫のトコジラミが発生したなどの投稿がSNS上にひろがり社会問題化しましたが、フランス政府の閣僚が、ロシアが情報の拡散に関与していたという見方を示し、ロシアを批判しました。

トコジラミは、体長が5ミリから8ミリほどの「ナンキンムシ」とも呼ばれる害虫で、人の血を吸って、強いかゆみを引き起こすのが特徴です。

フランスでは、去年秋、高速鉄道TGVやパリの地下鉄の車内でトコジラミを目撃したとする情報が、動画や写真などとともにSNS上で拡散し、ことし夏のオリンピック、パラリンピックを前に影響を懸念する声も出るなど社会問題となりました。

これに関連し、フランスのバロヨーロッパ担当相は1日、テレビ番組で「この問題は、ロシアの影響を受けたり、ロシアを拠点にしたりしたアカウントによってSNS上で人為的に増幅されていた」と述べ、ロシアが情報の拡散に関与していたという見方を示し、ロシアを批判しました。

また、バロ氏は、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナから人々が避難してきたこととトコジラミのまん延とを結び付ける偽情報もあったと指摘しました。

フランス政府は、トコジラミに関する情報の拡散を受けて、公共交通機関などでの掃除や消毒の頻度を高めるよう指示するなど、駆除対策に乗り出していましたが、結局、大量発生したかどうかはわからないままでした。